「戸籍謄本・住民票の写し等職務上請求書」をご存知でしょうか?

これは、弁護士・司法書士・税理士・行政書士等の士業が、業務に関連して戸籍謄本等を取得する際に、委任状無しで職権で取得できてしまうという、めっちゃすごい紙です(語彙力不足)

実は私、相続税申告はそれなりに数をこなしていますが、前事務所では戸籍を税理士側で取得するということはやっておらず。すべてお客様側にて取得してもらうか、登記が絡む場合は司法書士への依頼をお願いしていました。

今回職務上請求書を初めて使いましたので、今後使う方の参考になれば、と思い記事にしてみました。

職務上請求書で取得できる範囲

  • 戸籍関係(戸籍・除籍・原戸籍)謄抄本
  • 住民票(除票含む)の写し・戸籍の附票
  • 住民票記載事項証明書

が取得できます。

なお、取得できるのはあくまでも「職務上必要となる場合」のみです。

一般的には、相続税や贈与税の申告書に添付が必要な場合、ということになるかと思います。

ちなみに、Yahoo知恵袋にて「税理士が職務上請求書の使用目的に登記申請のためと記載して請求を行い、困っている」という役所の方の苦言?がありました。

税理士は当然登記申請の代行はできませんから、このような使用目的での利用はあり得ません。

士業全体の信用問題にもつながりますし、不正利用は懲戒処分の対象となる可能性もあります。

便利な紙であると同時に、個人情報が容易に取得できてしまう恐ろしい紙であることを十分に理解して使わなければなりません。

実際問題、この職務上請求書は極力利用せず、通常の委任状を用いて対処している士業の先生も多いようです

職務上請求書を使うかどうかは個人の考え方にもよりますが、どちらにせよ濫用するようなものではありません。

取得方法

このように、職務上請求書は国家資格を有する士業のみに認められた制度とはいえ、容易に個人情報が取得できてしまうものなのでその管理は厳重になっています。

そのため、ネット上に公開されているものでも、自作して使用できるものでもありません。

税理士については、各地域の税理士会・支部にて取得することができます。

八王子支部の場合は支部事務局にて申請し、税理士証票を提示することで取得することができました。1冊10枚綴り。

濫用防止・厳重な取り扱いのため、八王子支部では1人の税理士に対して月あたり2冊(20枚)までしか発行できないとのことでした。

連番が付されており、コピーして使うことはできません。

相続人の人数が多い場合など、案件によっては10枚20枚すぐに使ってしまう可能性もあるので注意が必要ですね。

保管

前述のとおり職務上請求書は厳重な管理が義務付けられています。

用紙は複写式になっているため、使用した際はこの複写式の控えを保管するとともに、「事務所管理台帳」に使用状況を記載・保管しなければなりません。

事務所管理台帳というのはこんな感じのやつです。

九州北部税理士会がネット上に公開していますし、支部で職務上請求書を取得するときにもらうことができます。(コピーして使ってください、とのこと)

請求書には連番が付されており、複写式控えと台帳での二重チェックができる管理体制が必要です。亡失時には税理士会へ届け出が必要。

使用方法

役所窓口にて記載した職務上請求書と税理士証票があれば、すんなり戸籍を取得することができます。(もちろん手数料は別途必要です。)

前述の通り、職務上請求書を利用するのであれば委任状は不要です。

職務上請求書の記載方法についても公表されていますので、記載例に従って書くだけです。今回は相続税申告のために利用。

手書きなので面倒ですが、仕方がないですね…

本籍がわからない場合はまず住民票を取得し、その後戸籍を取得することになります。この場合職務上請求書は2枚必要です。

出生までの戸籍をさかのぼる場合など、戸籍と原戸籍を取得する場合等は1枚でOKとのこと(役所によって対応が異なるかもしれませんので要確認)。

住民票と戸籍の場合は記載事項が異なるため、分けて書く必要があります。

 

なお、郵送請求の場合も 職務上請求書+税理士証票のコピー+手数料(定額小為替)+返信用封筒 でOKです。

通常、戸籍を郵送で請求するには所定の請求書がありますが↓

↑こういうの。

いくつかの役所にて請求を行いましたが、これも不要とのことでした。職務上請求書があればOKとのこと。

ただ、これは役所によって対応が異なるかもしれませんので、念のため事前に確認した方が良いかもしれませんね。

定額小為替は郵便局にて取得できます。

その他

戸籍謄本・住民票の写し等職務上請求書等に関するQ&Aが公表されていますので、使用する場合は一度確認した方が良いでしょう。

 

私も今回はじめて利用してみて、便利な反面、使い方を誤れば恐ろしい制度でもあると感じました。

本人取得や委任状による取得を原則としつつ、どうしても必要な場合に限って十分注意して利用する、程度の方が良いかもしれません。